「 ………ん……… 」
船室の壁にある丸い小窓から差し込む朝日
日の光が目蓋を照らし その眩しさに目を覚ました
身体を起こし まだ覚めやらぬ目を擦りながら
ふと横を見ると目に入って来たのは…
前の晩 『 同じベッドでなんか寝れるか!! 』 と蹴り出され
自分の部屋だというのに仕方なくソファーで眠る羽目になったエースの姿だった。
音を立てないようにベッドから降りると
眠っているエースの傍らに近付いていく…
( …気持ち良さそうに寝ちゃって… )
は
エースの眠るソファの前に来るとぺタリと床に座り込んだ
( 寝てる時は可愛い顔してんのねコイツ )
気持ち良さそうに眠るエースの寝顔に
思わず顔を綻ばせながら
は
ふと 昨晩エースに言われた言葉を思い出した…
( あたしがコイツに惚れてた……ねぇ…… )
( 確かに今だに記憶が曖昧なトコはあるんだけど…… )
( ……その抜けてるトコがコイツの言ってる事と関係あるのかな? )
ソファの前で ジィーッとエースの寝顔を見つめながら
色々 考え込んでいた
すると 突然、パチッと目を開けたエースが
の首の後ろに手を回し グイッと力強く引き寄せると
その口唇にキスをした
「 っ!! 何しやがんだっ!!」
「 何だよ…キスして欲しくてソコに居たんじゃねぇのか?」
「 違うよバカ!!」
「 何だ……てっきり もう俺に惚れたのかと思ったんだけどな♪ 」
「 んな訳ねぇだろ…何処から来るんだ その自信は。 」
ニヤリと含み笑いを向けるエースに、呆れ顔を向ける
「 お前なぁ…俺みたいなイイ男は他に居ねぇぞ?
女には優しいし、腕っぷしも強ェし…
もちろんアッチの方も強ェぜvv 試してみる気ねぇ? 」
「 ……バッカじゃねぇの? 」
「 可愛くねぇなぁ… 」
「 !? 」
そう言いながらの腕を掴んで引き寄せると
素早く体勢を入れ替え を自らの身体の下に組み敷くエース
一瞬の出来事に、は驚いて目を見開いた
両足の上に軽く跨り、両脇にその逞しい腕を附くと
上から真面目な顔でを見つめるエース…
そんなエースに対し 心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい
ドキドキと高鳴っている事に気付いたは、その事実に
思わず目線を逸らす
「 …重い、どけよ筋肉デブ… 」
「 デブってお前……ヒデェなぁ、贅肉なんてネェぞ?(笑) 」
「 贅肉じゃなくたって重いんだよ、そんなに鍛えてどうすんだ…… 」
「 ……二度と大事なモン落とさねぇようにな。 」
「 ……は?」
言っている言葉の意味を理解出来ず首を捻るを見て
エースは苦笑いを浮かべた
ふと真顔に戻ったエースは の瞳を見つめると
その頬を軽く撫で ゆっくり顔を近付けていく…
口唇が触れる寸前、恥ずかしそうにパッと顔を逸らしたを見て
エースは二ヤリと口元に笑みを浮かべると 顎を引き自分の方を向かせた…
「 ……逃げんなよ、…… 」
低い声で囁くように言葉を発すると ゆっくり口唇を重ねるエース
軽く触れるようなキスを落とし の反応を見る…
特に嫌がる様子も無く、大人しく受け入れたのを確認すると
再び口唇を重ね 舌先を割り入れる…
深く…甘く…
堪能するかのようにの口内を荒らし始めたエース…
その行為に ゾクリ…との腰元に
痺れるような感覚が走る…
「 ん…ぅ…… 」
重ね合わせた口唇の隙間から零れ落ちたの艶声に
口内を荒らしていたエースの舌が 嬉しそうに
さらに深く絡められていく…
肌の触れ合う部分から感じられるエースの温かさに
の手は自然と両脇に付かれていたエースの二の腕を抱きしめるように掴む
その反応に気を良くしたエースは
チュッと音を立てて口唇を離すと
耳たぶを軽く噛み 首筋を撫でるように口唇を這わせていく…
自然と流れるように進んでいく行為に
嫌悪感は無いものの…
少しばかり戸惑いを覚えたは、掴んでいたエースの腕に爪を立てた
「 ちょ……ちょっと待った! 」
首筋に軽く吸い付くようにキスをしてくるエースの身体を
グイグイと押し、離そうと藻掻き出した
「 や…やめろって……こらっ… 」
「 何だよ、今更…ヤラせてくれんじゃねぇの? 」
「 だ…誰もそんな事、言ってねぇだろ! 」
「 大人しく受け入れてたじゃねぇか。 」
「 そ…それは……その… 」
「 ΟΚって事だろ? 」
「 ち…違っ…… 」
「 カマトトぶんなよ…処女って訳でもあるめぇし… 」
「 てめっ…タチ悪ィぞ! 」
「 途中でヤメろっつーお前が悪ぃんだ。今更ヤメられっか、こんなんなってんのに… 」
エースがグイッと腰を押し付けると、の腹に異物が当たる。
腹の上で自己主張しているモノの存在に
顔を真っ赤に紅潮させ、エースをキッと睨みつける。
「 んなモン押し付けるな変態! 溜まってんなら自分でヌけ!!」
「 お前な…普通、女がそんな事言うか? だいたいなぁ…目の前に惚れた女が居るのに
何でわざわざ てめぇでマスかかなきゃなんねぇんだ。」
「 んな事言われたって……アタシは覚えてないんだから知るか!」
「 ……はっきり言いやがって…ふん。 じゃ、身体に思い出させてやるか♪ 」
そう言うが早いか、エースはにガバッと覆い被さると
手早く服を脱がせに掛かった
「 だぁー! やめろっつーの! 脱がすなぁー!!」
「 あ〜あ〜…うるせぇ口だなぁ… 」
「 んっ───!! 」
喚くの口をキスで塞ぎ 片手でプツプツとボタンを外していく…
「 んんっ! ん――っ!! 」
シャツが肌蹴て露になった胸を 下着の上から軽く揉み上げると
ビクッと身を縮こませてエースの肩口を掴む
指先で下着を捲くり
親指の腹で中心の突起を円を描くように撫で上げると
刺激された部分が硬く立ち上がってきた…
「 ふふん…身体は正直に反応してんじゃねぇか…」
「 ち…っくしょ……」
顔を赤らめながら悔しそうに自分を睨みあげてくるを
口角を上げ、ニヤニヤ笑いながら見下ろすエース。
「 そろそろ観念しろよ…それとも……… 」
「 ……? 」
暫く口篭ったエース……そして
「 ………マジで嫌か?」
「 ……っ…… 」
( ……何て顔するのよ もぅ…… )
自分に向けられたエースの目が とても悲しげに見え…
その瞬間 は心臓が鷲掴みにされるような感覚に見舞われた
しかし、エースの問いに何と答えれば良いのかも判らず
困った挙句 プイッと目線を逸らしてしまうだけの
露骨な拒否反応を示す訳でもなく…
見ようによっては良い反応にも見えるの態度に
気を良くしたエースは
その滑らかな頬に軽くキスを落とした…
「 …最初から素直にしてりゃ優しくしてやんのによvv 」
その時
『 ゴンゴン!』
部屋の扉を叩く鈍い音が響き
エースの動きがピタリと止まる…
「 …誰か来たぞ。」
「 ……… 」
返事もせず無言のままのエース…すると、
『 ドンドンドン!! 』
さらに強く扉を打ち付ける音が響き
外からネイサンがエースを呼ぶ声が聞こえてきた。
「 おいエース! まだ寝てんのか!? 起きろ!!」
「 ───っ 」
「 ほら…呼んでるぞ?
早く行った方がイイんじゃねぇの? 」
ニヤニヤ笑いながらエースの額を軽く突付く
「 あーーーくそっ! またかよ!!」
( ……また?? )
ガバッと起き上がると、イライラした様子で扉を開けるエース
「 ……起きてるよ。 」
眉間に皺を寄せ、不機嫌そうに顔を出したエースと
その肩越しに シャツの袂を掴み慌てて背を向けたを見て
状況を察知し 苦笑いを浮かべたネイサン
「 悪ィ…取り込み中だったみてぇだな。 」
「 …ぜってぇ わざとだろ。」
「 いやいや違うって! オヤジが呼んで来いっつーからよ… 」
「 …オヤジが? 判った、すぐ行く。 」
オヤジ と聞き 慌てて部屋に戻ると、手早く着替えを済ませたエース
出掛けようと扉の所まで行ったが
ふと振り返り、笑いながら に言い放った
「 戻ったら 続きすっからなvv 」
「 …勝手に決めんな。」
「 あ? さっき観念したんじゃねぇのか?」
「 …さっきは さっきだよ。」
「 んのやろぅ…今度は絶対に途中で止めねぇからな… 」
「 いいよ別に…あんたが戻って来るまでに逃げてやるからvv 」
「 …海のど真ん中の何処に逃げるっつーんだ… 」
「 お…泳いで……とか…… 」
「 …お前はアホか? あ〜〜…でもテメェならやりかねねぇな… 」
部屋を出ようとしていたエースは引き返し
棚の引き出しから麻縄を一本取り出すと、の方へと近付いて来た
「 お…おい…何する気だよ… 」
「 決まってんじゃねぇか…逃げねぇように縛っておくんだよ♪ 」
意地の悪い笑みを浮かべたエースは
思わず逃げ腰になったの腕をグイッと引っ張ると
その手首に手早く麻縄を巻き付け、反対側をベッドの足に縛り付けた。
「 てめっ…何て事しやがるっ!!
女には優しいんじゃなかったのかよ!! 」
「 優しいのは素直な女にだけだ♪ 」
「 …のやろぅ… 」
「 じゃ、俺が戻るまで大人しく待ってろよ♪♪ 」
「 ふん! 」
拗ねたのか そのまま掛け布団を被ってベッドに潜り込んでしまったを見て
エースは笑いながら部屋を出て行った。